私を奮い立たせた言葉

私を奮い立たせた言葉

「本当に必要としている介護スタッフは募集をかけても、なかなか集まらない。リハビリスタッフばかりがいてもねぇ。人件費がかさむだけ。」

ある方に言われた言葉です。

実際、3年に1度の介護保険制度改定の度に、リハビリスタッフが生み出す収入は減少しています。介護保険制度で提供されるケアはすべて「保険点数」が定められています。介護保険制度は、医療保険制度と同様に公的な社会保険制度であり、その財源は税金や保険料によってまかなわれています。そのため限られた財政予算で、高齢化社会の中、年々増加する介護サービスの需要に対応するため、保険点数の調整が行われているのです。また、保険点数の設定も、介護スタッフが業務内容や提供時間等、要介護者の方々の生活の根幹を支える事に基づいて評価されることに対し、リハビリスタッフは、個々の要介護者様の身体状況に応じて設定した目標の達成度や訓練時間が基準となることなど、そもそも評価基準が異なります。

 この記事の初めに載せた、ある方の言葉を聞いた時、「稼げない=存在意義がない」ということなのか、と感じました。収入にこだわることは大切ですが、個人の努力でどうにかなる問題ではありません。

 モヤモヤとした思いを抱えながら働く中、偶然、市の広報誌にある記事を見つけました。「スタートアップ創出シティカレッジの受講生募集」の記事です。そこには、「新たな事業構想を机上の夢に終わらせない、動き出すことを実現する講座です」とありました。「スタートアップ」という言葉の意味も解っていませんでしたが、思い切って飛び込めば、新しい世界が拡がっていくような気がして、ドキドキしました。

 目的は、新しい事業を起こして「儲ける」ということではありません。医療や介護の世界しか知らない私が、これまで培ってきた経験を、誰かの役に立つ商品やサービスへ形を変えて、世の中に送り出すことです。これまでとは違った方法で介護に携わることができないか、模索してみようと考えたのです。

 これが現在の活動に至るきっかけで、ちょうど2年前の出来事です。まだまだ道半ば、これからです。何も実現は出来ていませんが、私と同様、介護現場で頑張っていらっしゃる方々に、「これ、いいね」と言って頂けるモノを生み出すことが目標です。

 最近、デイケアをご利用様から「差し入れ」を頂くことが多くなりました。庭できれいに咲いている花を、わざわざ摘んで持参して下さいます。いい香りもしますし、とても癒されます。利用者さん同士の会話の糸口にもなります。
今は、シャクヤクが多いですね。

ブログに戻る