同僚Sさんから学んだ、対話の大切さ

同僚Sさんから学んだ、対話の大切さ

2回目の投稿です!

 今回は、介護保険施設に異動になったばかりの頃のことを少しお話させて頂きます。
急性期医療を行う総合病院から、急に、のんびりとした雰囲気の介護保険施設へ異動になった私は、とっても失礼な表現ですが、少し「物足りなさ」を感じていました。

 総合病院では、家庭復帰や社会復帰に向けてストイックにリハビリに取り組む方々ばかり。

一方、介護保険施設では、こんなやり取りが日常茶飯事でした。

私 : 「○○さん、運動行きましょう!リハビリの時間ですよ。」
利用者さん : 「なんで?しんどい。寝とる方がええ!」

 そんな中、日々、とても楽しそうに、活き活き仕事をされる同僚Sさん!
私との違い、それは利用者さんとの「対話」であることに気が付きました。
Sさんは、利用者さん、お一人お一人の「人生経験」をとても大切にされます。
「どこで生まれて、何人兄弟で、ご両親はどんな方々で、幼少期はどんな子供だったか。
大人になって、どんな職業に就いて、おいくつでご結婚されて、お子さんは何人で。趣味は?好きなことは?」等々。
もちろん、自分について話したくない方もいらっしゃいます。
利用者さんが、話したいことを、話したいだけ話して頂く。
ゆっくり、じっくり伺うと、「何を大切にして生きてこられたのか?」が見えてきます。

 Sさんを見習って、丁寧に話を聴くことから始めてみました。
私が勤務する介護保険施設では、80歳台後半から90歳台前半の方が大半です。
戦中・戦後の混乱期を、家族で力を合わせて、しなやかに生きてこられた方々です。
「料理上手で、8人のお母さん」、「腕の良い大工の棟梁さん」、「嫁いでから覚えた農作業が、生きがいになった方」。
皆さん、それぞれ素敵な人生経験をお持ちです。

 少しずつ、対話することが楽しく、聴き上手になった自分がいました。
そして、不思議と「運動」のお誘いを断られなくなってきました。

 本当にSさんには、大切なことを教えて頂きました。
今も、一緒に、同じ職場で頑張っています。

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